ロンジ製太陽光パネルが日本で選ばれる理由

 太陽電池世界大手、中国ロンジソーラーの太陽光パネルがいま、日本で人気を博している。2000年に創業したロンジは、太陽電池の原料となる単結晶シリコンを生産し、世界トップに君臨すると、14年から高効率な単結晶シリコン型太陽光パネルの生産を本格化。以後、原料から太陽光パネルまで一貫生産体制を構築し、世界をリードする太陽電池メーカーへと成長を遂げた。

 ロンジは18年に単結晶ウエハの年産能力を28GWまで高めたが、これを20年末までに世界総需要の実に半分以上に相当する65GWまで引き上げるという。太陽光パネルの年産能力も18年の8.8GWから、20年末には30GWまで増強する計画だ。

 ロンジが日本で太陽光パネルを売り出したのは19年からだ。競合他社と比べて日本への進出が遅く、後発だったが、初年度に太陽光パネルを250MW日本で販売した。日本では高出力パネルのニーズが高く、ロンジのパネルが好評を博した。

 福井県あわら市内にある出力870kWの太陽光発電所にはロンジの太陽光パネルが多数使われている。発電事業を営むのは、石油製品の卸販売を行う滋賀の尾賀亀だ。同社は、石川県や滋賀県などに建てた太陽光発電所も含めると、所有する太陽光発電所は合計で5MWになるが、いずれの太陽光発電所にもロンジのパネルを採用した。

 ロンジのパネルを採用した尾賀亀の尾賀健太朗社長は「積雪地域でいかに発電効率を高めるか考えたときに、パネル裏側からの発電を期待することもあって、ロンジさんの両面発電パネルを採用した。当初思っていたよりも発電している。年間のシミュレーションで一番実績が高いものは、シミュレーションの値に対して120%近く発電している。ロンジ製太陽光パネルが持つ力は素晴らしい」と語る。

 尾賀亀がロンジをパートナーに選んだ理由はほかにもあったようだ。尾賀社長は「ロンジさんは、世界的な実績と財務の健全性、そして商品の特性においても優れている。価格面や性能の良さだけでなく、長く付き合っていける企業だと思う」とロンジに信頼を寄せる。

営農用太陽光発電所は、作物に必要な光を確保するため、パネルとパネルの間に隙間を設ける。これによって、通常の太陽光発電所よりも設備の利用率が低下するが、高出力パネルを使えば、利用率の低下をいくらか抑えることができる。太陽光発電所の建設を手掛ける埼玉県の恒電社は、ロンジ製パネルを自社の営農用太陽光発電所に採用したが、同社がロンジを選んだ理由はほかにもあったようだ。

 恒電社の恒石隆顕社長は「技術者の考え方がしっかりしている。10~20年後に何かパネルに不具合が発生したとしても、ロンジさんならしっかり対応してくれると思う。中国の工場を訪れ、工場長と会話をした際、ものづくりに対しての自信が伺えた。20~30年後もこの会社は存続すると思った」と述べた。

 ロンジの太陽光パネルを選んだ事業者が、採用の理由として挙げるのは、ロンジ製パネルの性能と品質、さらにロンジの財務状況の健全性だが、もうひとつ挙げるならば、価格競争力であろう。同社は、20年にパネルの製造原価をWあたり0.20米ドル、日本円にしておよそ22円まで下げるとして、価格低減にも意欲を見せている。いま日本で人気上昇中のロンジ。この状況はまだまだ続きそうだ。

ロンジソーラーテクノロジー株式会社

ロンジソーラーテクノロジー株式会社

住所 100-0004 東京都千代田区大手町 2-6-1 朝日生命大手町ビル24階
事業内容 単結晶シリコンインゴット、ウエハ、セル、パネル製造
お問合せ先 TEL:03-3516-6300 FAX:03-3516-6301 Email:solar.jp@longi-silicon.com
URL https://jp.longi-solar.com/longi/

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